今帰仁村今泊のフクギ屋敷林と集落景観(沖縄県今帰仁村)
文化的景観の紹介
今泊の重要文化的景観は、沖縄本島北部の本部半島の北側中央部に位置している。
サンゴ礁の浅瀬(イノー)、海際の現集落、農地、段丘上の今帰仁城跡及び旧集落(史跡、世界遺産)、山林から構成されている。
沖縄本島の勢力が3つに分かれていた三山時代に、北山王は今帰仁城を拠点に沖縄本島北部を中心に支配していた歴史があり、旧集落は今帰仁城の隣に位置していた。
近世の集落移転の際、河川や湧水が流れ込む広い低地が近く、海産物が豊富なイノーに面し、地下水が得られる微高地であったことが適地とされ、現集落へと移転している。
また、北風や台風の影響を避けるため、フクギ屋敷林や浜抱護、村抱護の林帯がつくりだす緑豊かな住環境が特徴的である。
集落立地の考え方として、旧集落では「城との関係性」であったものが、現集落の「生活や農業の利便性」へ重点を移したことを示している。
一方で、沖縄固有の自然崇拝に基づく祭祀や芸能は、集落移転後も継承されており、クバの御嶽や城跡をはじめとした、山から浜までの各拝所等で、現在も執り行われいている。
こうした特徴や特性は、生活や生業の理解、地域的な慣習や信仰と景観との関わりを良好に伝えるものであり、亜熱帯気候に属する島嶼郡である沖縄県の集落の成り立ちを知るうえで貴重な文化的景観です。
基本情報
所在地:沖縄県国頭郡今帰仁村字今泊
選定年月日:令和元年10月16日
選定基準:(8)
フォトギャラリー
お問い合わせ情報
担当課:今帰仁村教育委員会 社会教育課 文化財係
住所:沖縄県国頭郡今帰仁村字今泊5110番地(今帰仁村歴史文化センター内)
電話番号:0980-56-5767
関連サイト:世界遺産 今帰仁城跡(公式サイト) (nakijinjoseki-osi.jp)
アクセス:那覇空港より約110km