日根荘大木の農村景観
ひねのしょうおおぎののうそんけいかん

文化的景観の紹介
重要文化的景観「日根荘大木の農村景観」選定地の泉佐野市大木地区は、和歌山県との境をなす和泉山脈の豊かな自然に恵まれ、樫井川が集落を貫流する河岸段丘地形をなし、山間部の盆地ならではの地形を活かした伝統的な農村風景が広がっています。河岸段丘の地形を活かすために、石積みを築いて平坦面を生みだし、屋敷地や農地を設けています。民家も茅葺きや瓦葺きのツシ二階、平屋の建物が多く、ツノやキバと呼ばれる仕上げや、破風を重ねる屋根が特徴的な地域です。また、国史跡日根荘遺跡の指定地である日根荘由来の寺院やお堂などが点在しています。
日根荘の時代には、大木地区は入山田村と呼ばれ、現在の上大木、中大木、下大木は当時の船淵、菖蒲、大木にあたり、その地名は現在も小字として残っています。史跡指定地の長福寺跡には、日根荘領主の九条政基が京都から下向し、1501年から4年間滞在し統治していました。その間に、日根荘に暮らす人々の様子を詳細に書き記した『政基公旅引付』も現存しています。
中世日根荘の時代に限られた水を最大限活かすようにつくられた用水路やため池、土地利用については、多くの史料に残されており、その史料や絵図にみられる寺社堂や用水路などが、現在も暮らしの中に残され受継がれていることが評価され、平成25年10月に重要文化的景観に選定されました。
泉佐野市大木地区の一部及び二級河川樫井川の一部を含む953.9haが重要文化的景観の選定範囲になっています。歴史的要素や伝統的な文化が伝えられ、絶滅危惧種も多数生息する自然環境豊かな里地里山の環境と一体となった景観が、今も地域の人々によって大切に守り受継がれています。
基本情報
所在地 | 大阪府泉佐野市 |
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選定年月日 | 平成25年10月17日 |
選定基準 | (一)水田・畑地などの農耕に関する景観地(七)道・広場などの流通・往来に関する景観地選定基準の詳細はこちら |
地図
フォトギャラリー
- 日根荘大木の農村景観
- 石積みと和井(水路)
- 長福寺跡
- 樫井川と菖蒲井(水路)
- 犬鳴山七宝瀧寺
- 水間道
- 屋敷地の石積み
- 担いだんじり祭
- 休耕田を活用したコスモス園 ※コスモス園は文化的景観の範囲の外で行っていますが、文化的景観をPRするために行っている事業です。
お問い合わせ情報
担当課 | 泉佐野市教育委員会 文化財保護課 日根荘係 |
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住所 | 〒598-0056 大阪府泉佐野市元町4−5 旧朝日湯内 |
電話番号 | 072-447-6766 |
関連サイトURL | https://www.city.izumisano.lg.jp/kakuka/kyoiku/bunkazaihogo/menu/keikan/1371687858961.html |
アクセス | 南海電鉄南海本線泉佐野駅もしくはJR阪和線日根野駅下車、南海ウイングバス南部「犬鳴山」行きに乗車 円満寺、長福寺跡方面へは、「下大木」停留所下車 火走神社、毘沙門堂へは、「中大木」停留所下車 蓮華寺、香積寺跡方面へは、「上大木」停留所下車 犬鳴山七宝瀧寺方面へは、「犬鳴山」停留所下車 |