長崎市外海の石積集落景観
ながさきしそとめのいしづみしゅうらくけいかん
文化的景観の紹介
角力灘と大村湾の間に位置する西彼杵半島は、標高400m前後の山地からなり、古生代の結晶片岩が広く分布しています。角力灘に面した西部の海岸は断層崖で、いくつかの河口に小規模な平野と入り江がある他は切り立った断崖が続いており、出津川及び矢戸川等の小河川が形成する河岸段丘及び斜面地に外海地域が広がっています。外海地域は、海路以外の交通が不便であったことから、かつては陸の孤島と呼ばれていました。また、水源も豊富でないことから畑作が多く、急斜面のやせた土地でも生産可能な甘藷(かんしょ)栽培が行われています。17世紀はじめ、甘藷栽培が普及して以降は、斜面地の開墾が進み、畑が山頂まで切り拓かれました。開墾した際に数多く出土し、やわらかく平らで加工しやすい主に結晶片岩を使った田畑や宅地の「石垣」、海の波や風を防ぐ「石築地(いしついじ)」、宅地の境界を示す「石塀」、家や倉庫の「石壁」といった4つの構造形式に分類される生活に密着した石積みが築かれてきました。結晶片岩に赤土と藁(わら)すさを練り込んで築いた伝統的な石壁である「ネリベイ」のほか、明治12年に主任司祭として外海に赴任したフランス人のド・ロ神父が伝えた、藁すさに代わり赤土に石灰を混ぜて築いた石壁「ド・ロ壁」などがあり、現在も多種多様な石積構造物が数多く残っています。
また外海地域一帯では、1571年にキリスト教が伝わり、17~19世紀の禁教期を経て、解禁後の19世紀後半に教会堂、救助院等が建設されたキリスト教文化が色濃く残る地域であり、選定範囲内には平成30年の世界文化遺産登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の2つの構成資産が分布しています。
基本情報
所在地 | 長崎県長崎市 |
---|---|
選定年月日 | 平成24年9月19日選定 平成30年2月13日追加選定 |
選定基準 | (一)水田・畑地などの農耕に関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら |
地図
フォトギャラリー
お問い合わせ情報
担当課 | 企画財政部世界遺産推進室 |
---|---|
住所 | 〒850-8685 長崎県長崎市桜町2-22 |
電話番号 | 095-829-1260 |
関連サイトURL | http://www.city.nagasaki.lg.jp/kanko/840000/842000/p030560.html |
アクセス | ■バス(約60分) 長崎駅前バス停から【長崎バス「桜の里ターミナル」(板の浦連絡便)行き】乗車~桜の里ターミナルバスから【さいかい交通「板の浦」行き】に乗り換え~「出津文化村」バス停下車 ■車・バイク(約50分) 長崎駅から国道206号線、202号線 |