佐世保市黒島の文化的景観
させぼしくろしまのぶんかてきけいかん
文化的景観の紹介
黒島は、佐世保本土と平戸島南端部のほぼ中間地点に位置しています。江戸時代には軍馬用の牧場が営まれていましたが、享和3年(1803)に廃止され、跡地は農地として開放されました。その開拓のため、西彼杵(にしそのぎ)半島の外海(そとめ)地区などから多くの人が移住し、現在に至る8集落が形成されました。
移住してきた人々は湧水の関係から島の縁辺部に住居を構え、そこから内陸に向けて開拓していきました。島は季節風や台風の影響を受けやすく、住居や畑には防風林が発達しました。特に島南部の蕨(わらべ)集落では、亜熱帯植物であるアコウが防風林として海側に植えられており、島に豊富な閃緑岩で築かれた石垣の上にアコウの根が張る、特徴的な景観が展開しています。
移住してきた人々の多くが秘かにキリスト教を信仰していた潜伏キリシタンでした。彼らは先住の仏教徒と同じ寺に所属し、一定の共存関係を築きながら信仰を守り続けました。潜伏時代に形成された墓地や家御堂と呼ばれた仮教会の跡などが島内にはあり、キリスト教解禁後に建てられた黒島天主堂と共に世界遺産候補「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産にもなっています。
また、明治時代に軍港が置かれた佐世保に近いことから、軍港防御のための高射砲台跡や終戦間際の本土決戦に備えた砲台跡も残されており、日本遺産「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~」の構成文化財にもなっているなど、見どころの多い島でもあります。
基本情報
所在地 | 佐世保市黒島町 |
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選定年月日 | 平成23年9月21日 |
選定基準 | (一)水田・畑地などの農耕に関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら |
地図
フォトギャラリー
お問い合わせ情報
担当課 | 佐世保市教育委員会社会教育課(4/1以降は文化財課) |
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住所 | 〒857-8585 長崎県佐世保市八幡町1-10 |
電話番号 | 0956-24-1111 |
関連サイトURL | http://kuroshimakanko.com/ |
アクセス | •バス:佐世保駅前から佐世保市営バス・西肥バスともに「相浦桟橋」行き乗車。約40分。 •松浦鉄道:佐世保駅より相浦駅で下車(約30分)、相浦桟橋まで徒歩約6分。 •フェリー:相浦桟橋から高島経由で約50分。 |