小菅の里及び小菅山の文化的景観
こすげのさとおよびこすげさんのぶんかてきけいかん
文化的景観の紹介
小菅集落は飯山盆地東縁に位置し、小菅山山麓の緩斜面上に広がっています。
小菅の歴史は古く、7世紀後半に修験道の開祖とされる役小角が小菅山に小菅権現を祀ったことが伝わり、平安時代後期には現在の小菅神社奥社の前身が設けられたとされています。中世には戸隠山や飯縄山と並び小菅山を中心とした信仰の地として栄え、その信仰圏は北信をはじめ上越地域まで及びました。小菅に伝わる絵図には、小菅神社奥社へ向かう直線的な参道沿いに区画された坊院群が階段状に描かれていますが、現在もその地割が石垣等で区画され、居住地や耕作地として継承されています。
小菅では、集落を南北に貫く北竜湖断層の活動によって湖沼や湧水が形成されました。小菅独自の水利体系を確立してそれらを集落内に引き入れ、居住地では「カワ」とよばれる融雪池や田畑の灌漑用水として生活・生業に利用しています。集落周辺の山林は、かつては薪炭、建材などに利用されていました。今でも小菅神社の式年大祭である「小菅の柱松行事」(国重要無形民俗文化財)などの材料として利用されています。
集落の山林や石垣、用水路等の維持管理、祭りなどの伝統行事の維持には住民のオテンマ(共同作業)が欠かせません。また、オテンマは地域共同体の紐帯として住民同士のつながりを深めています。このように、「小菅の里及び小菅山の文化的景観」は、信仰の地であった小菅山およびその参道沿いに展開した計画的な地割を示す景観地であり、カワとよばれる池など特徴的な水利を伴う生活・生業によって形成された文化的景観です。
基本情報
所在地 | 長野県飯山市 |
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選定年月日 | 平成27年1月26日 |
選定基準 | (三)用材林・防災林などの森林の利用に関する景観地(五)ため池・水路・港などの水の利用に関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら |
地図
フォトギャラリー
お問い合わせ情報
担当課 | 飯山市教育委員会 文化振興部 市民学習支援課 文化財係 |
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住所 | 〒389-2253 長野県飯山市大字飯山1434-1 |
電話番号 | 0269-67-2030 |
アクセス | 【電車で】 北陸新幹線飯山駅下車 飯山駅から車で20分 【車で】 上信越道豊田飯山IC下車 30分 |