新上五島町崎浦の五島石集落景観
しんかみごとうちょうさきうらのごとういししゅうらくけいかん
文化的景観の紹介
新上五島町の中通島北東部に位置する崎浦地域は、赤尾・友住・頭ヶ島・江ノ浜の4集落からなります。半農半漁を生業とした地域で、幕末以降、海岸に露出する砂岩質の五島石を採石し、石材業が発展しました。加工された石材は問屋等を通じて広く流通し、嘉永5年(1852)に建立された平戸市の普門寺常盤蔵の銅製銘板には、「五島封内頭嶋石」という文字が刻まれており、頭ヶ島の砂岩を使ったことが確認できるほか、平戸市の家屋や長崎市などにも石畳等として流通したと言われています。
大正時代に入ると、長崎県松浦市の鷹島で算出される「黒島石」と「阿翁石」と呼ばれる玄武岩系統の石が流通されるようになり、砂岩に代わり使われるようになりました。そのため、崎浦地域の石工たちは墓碑などの石碑の製作が主流となりました。郷土誌によれば、石碑製作の最盛期は昭和30年頃で、当時事業所数64、従業者170人という記録が残っています。その後、安価な石材の流通や捕鯨船に乗り込む人が増え、次第に石材業は衰退していきました。
集落には今でも多くの石材製品が残されており、通りの石畳、石臼や石流し等の生活用品、家屋の腰板石や神社の鳥居等の建築用材など、五島石を使った数多くの石材製品があふれています。
このように、崎浦の五島石集落景観は、幕末から近代にかけて五島地方のみならず、長崎・平戸などの西九州一帯に流通した五島石及び石材製品の生産地として、砂岩の高頻度利用の状況がみられる文化的景観です。
基本情報
所在地 | 長崎県南松浦郡新上五島町 |
---|---|
選定年月日 | 平成24年9月19日 |
選定基準 | (六)鉱山・採石場・工場群などの採掘・製造に関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら |
地図
フォトギャラリー
お問い合わせ情報
担当課 | 新上五島町教育委員会文化財課世界遺産推進室 |
---|---|
住所 | 〒857-4211 長崎県南松浦郡新上五島町有川郷578-36 |
電話番号 | 0959-42-0183 |
関連サイトURL | http://official.shinkamigoto.net/culturallandscapes.php |
アクセス | 有川港から車で移動 赤尾集落(区域内最初の集落)有川港から車で10分 頭ヶ島集落(区域内最後の集落)有川港から車で15分 |