高島市針江・霜降の水辺景観
たかしましはりえ しもふりのみずべけいかん
文化的景観の紹介
「高島市針江・霜降の水辺景観」は、市の中央部を流れる安曇川の伏流水を主な起源とした清らかな湧水によって形成された、多くの「カバタ」や複数の水路が存在する豊かな水辺景観です。
「カバタ」とは、集落内の多くの家庭で現在も使われ続けている、湧水を活用した石造りの洗い場(台所)のことで、一般的には、湧水が「元池」→「壺池」→「端池」の順に3つの槽を流れていき、最終的に水路へと流れるように作られています。ここでは、湧き水に対する感謝の思いと、近代化の中でも「カバタ」を使い続けてきた人々の暮らしが、この地域独自の水辺景観を生み出してきました。
また、湖岸に広がるヨシの群生地は、琵琶湖を代表する特徴的な景観地であるとともに、琵琶湖に住む魚類の貴重な産卵場所として、自然環境保全面からも有意義な場所であることが知られています。ヨシは屋根材等に好適で、古くから地域の貴重な資源として保全されてきました。現在は、生業との関わりは薄くなりましたが、その良好な景観は地域コミュニティーによる保全活動によって維持されています。
カバタを流れ出た水は、かつては河川流域の水田を灌漑しながら、下流の内湖に流入し、その後、ヨシ原等によって浄化され、琵琶湖へ流れ出す仕組みになっていました。また、内湖の底に堆積した泥は水田の客土として利用され、水底に生える水草は肥料として水田に戻されてきたことから、カバター河川―水田―内湖―琵琶湖の間には、人々の生活に密着した水循環システムが形成されてきたといえます。
このように人々の生活や生業活動と深く関わりを持ちながら維持されてきた景観が、この地域における水辺の文化的景観ということができます。
基本情報
所在地 | 滋賀県高島市 |
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選定年月日 | 平成22年8月5日 |
選定基準 | (五)ため池・水路・港などの水の利用に関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら |
地図
フォトギャラリー
お問い合わせ情報
担当課 | 高島市教育委員会 教育総務部 文化財課 |
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住所 | 〒520-1217 滋賀県高島市安曇川町田中455番地 |
電話番号 | 0740-32-4467 |
関連サイトURL | http://harie-syozu.jp/ |
アクセス | JR湖西線 新旭駅下車 徒歩約15分 |