松里のコロガキを干す集落(仮)
まつさとのころがきをほすしゅうらく

文化的景観の紹介
渋柿を干して脱渋した干し柿は全国で見られますが、「松里の枯露柿」は特に有名です。コロガキは、戦国の武将・武田信玄が陣中食として搗ち栗と干し柿の生産を奨励したことから始まったとの伝承があります。江戸時代の甲斐国の果物など特産品を指す「甲州八珍果」のなかにカキがあり、これは干し柿のことと考えられ、甲府勤番から幕府へ献上されるほどの名物でした。
原料として、「甲州百目」という400グラム以上にもなる大型品種のカキを主に使います。大きなカキをきれいなコロガキに仕上げるための条件として、①日中の温度が高く、湿度は低くなること、②夜間はよく冷え込むこと、③風が吹きすぎないこと、などが挙げられます。甲州市塩山の西辺にある松里地区は、このような条件に適応した環境だったためコロガキ生産が根付き、今日まで長い生産の歴史を育んできました。
コロガキ生産は、11月から12月にかけて行われます。カキの収穫から始まり、皮をむいてヒモにくくられた状態で表面殺菌をし、専用の干し場や家の軒先に所狭しと吊るされます。古民家がよく残る松里地区にあって、軒下にオレンジ色のコロガキのすだれがかかる風景は、甲州市を代表する秋の風物詩で、毎年多くの観光客が訪れています。
松里地区の気候条件に合わせ、農閑期におこなうコロガキ生産は、優れた農業景観であるとともに、風土と伝統産業が一体となった文化的景観です。
基本情報
所在地 | 山梨県甲州市 |
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選定年月日 | 取組中 |
地図
フォトギャラリー
- 松里のコロガキを干す集落
- カッパサミという農具を用いてカキを収穫する
- 皮をむいて縄や紐にカキを結び付けます
- 民家の軒先だけでなく、庭先でも吊るされる
- 棚干しして余分な水分をとり、形を整える
お問い合わせ情報
担当課 | 甲州市教育委員会 文化財課 歴史まちづくり担当 |
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住所 | 〒404-8501 山梨県甲州市塩山上於曽1085-1 |
電話番号 | 0553-32-5076 |
関連サイトURL | http://www.city.koshu.yamanashi.jp/rekisi_bunka/ |
アクセス | お車: 中央自動車道勝沼ICから国道20号線を大和・大月方面へ、「柏尾」交差点を左折 、「等々力」交差点を右折、「西広門田橋南」交差点を左折、「中沢ガード北」交差点を直進し、県道38号線を約3km「乾徳山恵林寺」周辺 バス: JR中央線塩山駅南口から西沢渓谷行、「恵林寺前」下車 |