宇治の文化的景観
うじのぶんかてきけいかん

宇治の文化的景観

文化的景観の紹介

京都の南、宇治川の谷口部に開けた宇治は、古くから水陸交通の結節点として賑わいました。宇治の都市的発展は、平安時代の貴族の計画的な邸宅の造営にはじまります。東西南北の碁盤の目状の街区に苑池を備えた貴族の邸宅がつくられ、都に比類する平安文化が栄えました。しかし、南北朝の戦火に焼かれ貴族がその力を失うと、残された人々によって方形街区を斜めに横切る宇治橋通りが建設され、通り沿いに長屋が建てられます。中世に始まった茶生産は、室町時代後期には天下一の茶生産地として名声を確立します。江戸時代には大きな長屋門をもつ茶師の邸宅が通り沿いに立ち並び、その奥ではかつて貴族の邸宅があった広大な区画をそのままに茶園が営まれます。幕藩体制の崩壊とともに茶師の多くは衰退しますが、茶の輸出で成功をおさめた茶商が台頭し、製茶場を備えた屋敷を構えます。

現在の宇治は、平安時代から継承される碁盤の目状の街区と、そこを斜めに横切る中世の道がつくる三角形の街区に、江戸時代以来の長屋門のある茶師の邸宅、明治時代の茶商の屋敷や工場、茶農家の町屋などが点在し、お茶の町宇治の風情が伝えるとともに、近代化の中でその数を増やした茶の小売店が軒先に自慢のお茶や菓子を並べ、それらを買い求める人々で賑わっています。また、まち中や周辺に点在する茶園では、5月の茶摘み前に一斉に覆いをかける中世以来の独特の方法で、旨味のある碾茶(抹茶)や玉露用の茶葉が栽培されています。この覆下茶園での茶摘みは、古くから宇治を代表する風物詩でした。摘まれた茶葉は、直ちに製茶場に運ばれ、加工されます。まち中の茶農家の家屋の裏に設けられた製茶場では、大正時代に造られた碾茶用の長大な耐火レンガ製乾燥炉が今も現役で稼働し、伝統的な生業が営まれています。

基本情報

所在地 京都府宇治市
選定年月日 平成21年2月12日
選定基準 (一)水田・畑地などの農耕に関する景観地(五)ため池・水路・港などの水の利用に関する景観地(六)鉱山・採石場・工場群などの採掘・製造に関する景観地(七)道・広場などの流通・往来に関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら

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お問い合わせ情報

担当課 都市整備部 歴史まちづくり推進課 文化財保護係
住所 〒611-8501 京都府宇治市宇治琵琶33番地
電話番号 0774-21-1602
関連サイトURL http://www.city.uji.kyoto.jp/0000011397.html
アクセス JR奈良線、京阪宇治線の各線宇治駅下車